小笠原諸島に伝わる非日本語系の言葉

 

延島冬生東京都小笠原村

 

はじめに

小笠原諸島は北西太平洋上に位置する列島で、東京都小笠原村に属する。近世まで無人島であったが、1830年(文政13)ハワイから5人の欧米人と十数〜二十数人のハワイ人が主島の父島に移住し定住が始まった。小笠原諸島はジャパングラウンドと呼ばれた捕鯨地の好位置にあり、捕鯨船の補給、休養地として利用され、その後も欧米系及び太平洋諸島系の捕鯨船の乗組員等が住みついた。日本語の無人島を意味する「むにんしま」が転訛した“Bonin Islands”(延島1997b)は捕鯨船にはよく知られていたようである。当時小笠原諸島では英語を共通語とし、それぞれの集団及び家族内では欧米諸語、ハワイ語等の母国語が使われていたと推察される。小友浦船の記録(外務省:769-789)は入植後程ない島の言語生活の一部を伝えている(延島1997a:77-80)。

1876年(明治9)日本領土となり、本土から大量の日本人が移住し先住移民との間に様々な接触と交流がなされた。その結果、日本本土の文化を基調としつつ、欧米系及び太平洋諸島系の文化が入り交じり、最近まで一風変わった風土が形成されてきたと言える。

なかでも、言語は開拓者の出自を反映するものであり、非日本語系の言葉が使われてきたことは興味深い。こうした言葉を紹介し、言語学の専門家の解明を求めたい。

凡例:整理番号、伝えられているまたは記録されている言葉、別称、外国語表記、説明の順。先住移民とは1830年ハワイから父島に移住してきた5人の欧米人並びに十数〜二十数人と言われるハワイ並びに太平洋諸島人およびその後移住してきた欧米人並びにハワイ並びに太平洋諸島人で1876年日本領土となる以前から小笠原諸島に住んでいた人々を指す。欧米系島民とは先住移民の子孫で現在小笠原諸島に住んでいる人々を指す。戦前は「帰化人」と呼ばれたいたが、今日この呼称は使用しない。旧島民とは1876年日本領土となった後、本土[内地]から開拓に移住してきた人々の子孫を指す。旧島民には小笠原諸島が1968年米国から返還後、帰島した人々と帰島せず内地に住んでいる人々とがあり両者を含む。

 

1. ハワイ・太平洋諸語系

1. 1. アーキー  アキー  Aki  地名

父島扇浦の海岸を指す。欧米系島民にハワイ語と伝えられている。スペルは欧米系島民からの聞き取り及び父島列島の地名地図 (Cholmondeley 1915) による。ハワイ諸島マウイ島には"aki"という地名がある (Pukui et al 1974:8) 。意味不明。

 

1. 2. ポカニュービーチ  プクヌヒ  地名

父島小港海岸を指す。また、かつては小港海岸から逢瀬橋あたりの北袋沢の低地を指していた。意味は忘れられているが、欧米系島民にはハワイ語と伝えられている。チャムリは"Rukunui"と聞き取り注記している (Cholmondeley 1915) 。「アレン対話の答」に「北袋沢の海岸に石洞あり此より名つけて"ポコノイ"と称す」(太政類典)とあり、今も海岸の右手の岬に丸い海食洞が二つ並んでいる。ポカニュー[プクヌヒ]はハワイ語のプカ-ヌイの転訛と考えられる。“puka nui”は大きい穴を意味する (Pukui & Elbert1986:351) 

 

1. 3. プヒアイランド  Puhi Island  地名

父島北西方の人丸島を指す。欧米系島民には「プヒ」はジャウナギ、ウツボを意味するハワイ語で、この島の周囲に多いからと伝えられている。チャムリは “Pihi island”の綴りで瓢箪島に注記している (Cholmondeley 1915) が、欧米系島民は人丸島としている(延島1994a:24)。ハワイ語では“puhi”はウナギ類の総称 (Pukui & Elbert 1986:349)

 

1. 4. ホーレイポイント  Holey Point  地名

父島北部・長崎の西の岬を指す。欧米系島民にはホーレイは黄変色のササヨ[ミナミイスズミの小笠原諸島方言]を指すハワイ語で、ササヨはどこにでもいるが、ホーレイはこの岬辺りに多いからと伝えられている。ハワイ語では"houlei""an introduced yellow dotted cloth" (Pukui & Elbert1986:77) 、または"name of a tree used  (bark and root)  to color yellow" (Andrews 1865:213) とあり、黄色いものを指すようである。ミナミイスズミ[Kyphosus bigibbus]は「小笠原諸島に多く、黄化個体もいる。」(田口1989:150)。

 

1. 5. ピーマカ  調理方法

意味は忘れられている。「ササヨのピーマカ」が手軽で欧米系島民には好まれていた。ササヨ、アオブダイ等、磯臭くて食べられないという魚がこの料理法で臭みを殺して食べられる。作り方は魚を3枚におろし、酢に浸し、スライスした玉ねぎや大根等と混ぜたものにする(東京都島しょ保健所小笠原小笠原出張所1988:1-2)(延島1993:490)。酢を指すハワイ語"pinika" (Pukui & Elbert1986:331) の転訛と思われる。ハワイにも"pinika"という同様の魚の料理方法があるという (Earle1990)

 

1. 6. コペペ  Kopepe  人名

キリバス[ギルバート]諸島ノノウテイ島出身で、父島及び母島列島向島に「コペペ海岸」、「コペペ浜」、「コペペ屋敷」等の地名を残す(延島1994b:34)。1882年(明治15)日本に帰化した。元の名は"Copebey"と表記され、日本名は「コピーべー」とある(公文録)。「コッピーべー」(外国関係笠島記事)、「コペペー」(加茂1889:322-327)、「コピーペー」ともある。また、「コペペカサゴ」[カンモンハタ]と呼ばれた魚やコペペが常食としていたというタコノキの実[タコノミ]を採ったり、食べたりすることを「コペペ」と称することもある(延島1993:123)。

 

1. 7. タマナ 植物名

テリハボク[Calophyllum inophyllum L.][オトギリソウ科](津山1989a:148)の小笠原諸島方言。「[テリハノキ]メールトマナ」(阿部b)、「ヒートリマナ又ヒータマナ」(曲直瀬1883b:539)、「ヒータマナ[図名]」(小笠原嶋誌附録図)、「小笠原旧住民がいうヒータマナHe-Tamanaは、モモタマナ<シクンシ科>She-Tamanaというのに対応する。タマナはハワイ名Tamana treeまたはTamano treeに由来する。」(津山同)とある。ハワイ語では"kamani"、古代ポリネシア語では"tamanu"とある (Pukui & Elbert1986:125) 。「タマナ」は日本語として違和感がなかったのであろう。小笠原村硫黄島字玉名山と村の字名にもなっている(東京都1980:1-3)。旧島民は「玉名」という字を宛てている(柘植1980:86)。「[利用]…木理が美しく、家具・建築用材など。」(豊田1981:256)。

ペリー(金井1985:137)の言う「建築用の材木は、どちらかというと不足していて、…最上のものはジャマナと野生の桑である。前者はブラジルやメキシコのアメリカ杉に似ており、非常に耐久力がある」はこれであろう。

ゴンチャロフの「土民がトマンと云つている木などである。トマンといふのは素晴らしい紅樹である。」(ゴンチャロフ1941:36-37)も同じであろう。

 

1. 8. ビーデビーデ  植物名

ムニンデイコ[Erythrina boninensis Tuyama][マメ科]小笠原諸島固有種(豊田1981:98)の小笠原諸島方言。同属のものがハワイにもあり、ハワイ語ではwiliwili  (Pukui & Elbert1986:385) という。文久年間幕府巡検隊の一員として来島した阿部は「デク 蕃名ウリウリ、ウデウデ、梯枯ナリ」としている(阿部b)。1879年(明治12)来島した小石川植物園の一行は「バリバリ」と聞いている(賀来1879)。「ビーデビーデ、ウリウリノキ、梯枯の一種」(曲直瀬1883:624)、1888年(明治21)には「[ビーデビーデ][ウリウリノキ]」(服部1888:24)、「ビーデビーデ[梯梧ノ一種]」(小野田1888:388)と固定していくようである。

北原白秋は「びいでびいで」という作品を作っている(大梧法1981:171)。最近では繰り返さず、短縮した「ビーデ 」という言い方が多い。例えば、母島には「ビーデ」というスナックがあった(小笠原村電話帳1995)。また、都立小笠原高等学校の20周年記念誌は「びいでびいで」(東京都立小笠原高等学校1988)であるが、最近の文化祭は「ビーデ祭」(東京都立小笠原高等学校1997)と称している。

 

1. 9. ルーワラ  植物名

タコノキ[Pandanus boninensis Warburg][タコノキ科]小笠原諸島の固有種(山崎1989b:268)。欧米系島民にはこう伝えられている。阿部は「ロワラ」と聞き取っている(阿部a, b)。「ラハロー」(外務省1874)、「ロハヲ」(大槻1876)と表記したものもある。「ルーワラ、タコノキ」(曲直瀬1883b:219)。チャムリは"Lohala Palm"と記している (Cholmondeley1915) 。同属のものがハワイにもあり、ハワイ語のタコノキ"hala" (Pukui & Elbert1986:50) ではなく、"lau hala"[<特に編むために使われる>パンダナスの葉](西沢1990:117)が転訛したものと思われる。

 

1. 10. ハーオ  植物名

[ハスノハギリ]蕃名アイメル、アウ」(阿部b)、「方言ズノハギリ、土名ハーオ、一名ハマギリ又単ニキリト称ス」(曲直瀬1883)、また「ハーヲ、一名ソフトハーヲ、ハマギリ、又ハスノハギリ」(曲直瀬1883b:562)とある。ハスノハギリ[Hernandia nymphaeifolia  (Presl) Kubitzki][ハスノハギリ科](山崎1989a:124)。「ハーオ」と「モンテンハウ」{3. 3.参照}の対応を考えると同じ海岸林にある「オオハマボウ」[Hibiscus tiliaceus L.](大場1989:71[かいがんいちび](豊島1922:11)と取り違えられたのではないかと思われる。「ソフトハーヲ」は「此材料ノミ軽軟」(小野田1888:374)故か。ハワイにはハスノハギリは自生しておらず、対応する言葉がない (Whistler1980:23)

 

1. 11. ウーフー 魚名

ブダイを指す。欧米系島民にはハワイ語と伝えられている。ハワイ語では"uhu""Blue parrotfish[Scarus perspicillatus]" (Kent1986:94) とある。

 

1. 12. タハラ  魚名

「クチミダイ」を指すという。ハマフエフキ[フエフキダイ科][Lethrinus nebulosus](田口1989:130)か。欧米系島民にはハワイ語と伝えられている。ハワイ語では"kahala" (Pukui & Elbert1986:110) とある。「タマナ」と同じくK音とT音の変換があったと思われる。

 

1. 13. ヌクモメ  魚名

欧米系島民の間ではシマアジ[Pseudocaranx dentex](田口1989:118)の幼魚を指す。ハワイ語では"nuku mone'u""a variety of jackfish" (Pukui & Elbert1986:272) または"nukumoneu""the name of a fish" (Andrews1865:425) 、また"nuku mone'u""Blue jack[Caranxmelampygus]" (Kent1986:89) とある。

 

1. 14. アリヒー  魚名

欧米系島民の間ではノコギリダイ[Gnathodentex aurolineatus](田口1989:130)を指す。ハワイ語"'ala'ihi" (Pukui & Elbert1986:17) の転訛か。

 

1. 15. フンパ  小動物名

欧米系島民の間ではオカヤドカリ[Coenobita sp.](東京都教育委員会1987:25)を指す。ポーンペイではumpwaと呼ぶ(太平洋学会1989:80)。

 

2. 英語系

2. 1. デキストホール  Dick's Store Hole  地名

チャムリの採集 (Cholmondeley1915) 。兄島の北側の南に入り込んだところにある岩穴。欧米系島民は「ブラボーホール」と呼んでいる。デイックの貯蔵穴の意(延島1994a:20-21)。「デキストホール」という海岸との認識もあった(小野田1888:220)。

 

2. 2. キャベツビーチ  Cabbage Beach  地名

兄島南部、兄島瀬戸に面する小海岸。チャムリも地名地図に採集 (Cholmondeley1915) 、本文中にもcabbage-palmとある(同:25)。Cabbage Palmが海岸の後ろの谷に繁っていたからであろう(延島1994a:15)。「土名キャベッジハーム」(曲直瀬1883a)はノヤシ[セーボリーヤシ][Clinostigma savoryanum  (Rehder et Wilson) H. E. Moore et Fosberg][ヤシ科]小笠原諸島固有のヤシ(大場1989:265)。食用とされ先住移民はキャベツと、日本人開拓者は「味ヒ筍ニ似タリ」(三浦1882?)と感じたようである。

 

2. 3. トーイーススプルースベイ  地名

兄島北東部家内見崎を回ったところ(延島1994a:19)。欧米系島民に伝えられる。「トーイース」は不明。「スプルース」はヒデノキと思われている。シマムロ[Juniperus taxifolia Hook. et Arn.](佐竹1989:19)は小笠原諸島固有種で「島民はヒデノキ[火出ノ木]と呼び」(豊田1981:24)、先住移民は「土名スヘリウス」(曲直瀬1883a)、「帰化人<ママ>は本樹をspruce woodと称し」(豊島1938:94)と呼んでいた。英語"spruce"は「常緑針葉樹のトウヒ」(小稲1980:2049)だが、小笠原島唯一の針葉樹に宛てたものであろう。"XXX spruce Bay"。綴り一部不明。

 

2. 4. ハーネスロック  Harness Rock  地名

兄島西方、瓢箪島の西側の岩礁、眼鏡島の別称(延島1994a:24)。欧米系島民の呼称。"harness"は「馬具」(小稲1980:961)の意だが、ここでは「鞍」を指していると思われる。

 

2. 5. ブーベロック  ブービーロック  Booby Rock  地名

兄島の西側の海上岩(延島1994a:10)。チャムリも採集 (Cholmondeley1915) 。ブーベがよく羽根を休めているところ。ブーベ(ブービー)はカツオドリ[Sula leucogaster](高野1982:84[旧島民の呼称オサドリ]の先住移民の呼称。"booby"は「カツオドリ」(小稲1980:244)。

 

2. 6. アンヤビーチ  アンナビーチ  地名

母島沖港湾内西側にあった海岸名(延島1994b:31)。先住移民の主作物の一のタマネギ栽培に由来する。「この畦に作りたるものヲニオンなりと。江戸にていふ韮らっきょうの如し。」(阿部a)と和名が無かったのか、阿部は文久年間そのまま記述している。"onion"「タマネギ」(小稲1980:1480)。"Onion beach"が「アンヤビーチ」(折田1899?)、「脇浜<アンヤビーチ>」(橋本1983:48)と聞こえた。「土地のばあさんがアニアブチ、アニアブチという。はじめアニア淵と聞いてなにか淵があるのかと思ったら、アニアビーチ<玉ネギの浜>なんですよ。」(飯沢1968:62)。

 

2. 7. サンドル  サンドロ  アレキサンドル  植物名

シマシャリンバイ[Rhapiolepis wrightiana Maxm.][バラ科](豊田1981:256)の小笠原諸島方言。「アックスハンドルウード、斧ノ柄トナス木ノ義」(曲直瀬1883b:523)、「材ハ堅硬緻密ニシテ重ク・・・坑木又ハ丸柱類ニ賞用セラル又楫鉈ノ柄等トシテ樫ニ代用セラル先住者ハAx handle-Wood. ト稱ス<あれきさんどる>ハ此転訛ナリ」(東京府小笠原島庁1914:191-192)。

 

2. 8. ヤロード  植物名

[Ochrosia nakaiana Koidz.][キョウチクトウ科]小笠原諸島の固有種(村田1989:187)。「エルローウート、黄木ノ義」(曲直瀬1883b:599)、「材黄色ナルニヨリ先住者ノYellow-Woodト稱セルモノヨリ転訛シテやろうどトナリシモノナリ」(東京府小笠原島庁1914:190)。「ハワイ語の持込みというよりも、帰化人<ママ>中の英語を話す人によってつけられた名であろう。」(津山1968:63)。阿部は「[小葉テリハノキ]トマナ、モウンチヰンアップル」(阿部b)としたが、先住移民の呼称をそのまま和名としている。

「果実は長楕円形、…2個向き合って開出し」(村田同)、「英語かもしれないが、実が如何にも、男の象徴に似ている事から誰かが、ふざけて言ったのがその名前になったのかも知れない。」(柘植1980:86)という解釈が生まれている。

 

2. 9. ロースッド  ロースード  植物名

ヒメツバキ[Schima wallichii  (DC.) Korthals][ツバキ科](津山1989a:143)の欧米系島民の呼称。ムニンヒメツバキという小笠原諸島固有種とする見解もあった。「ロースウード、薔薇木ノ義」(曲直瀬1883b:610)、「ろーすーど」(東京府小笠原島庁1914:98)。「ろうすうーど」(東京府小笠原島庁1914:194)。「Rose Wood…ロースード《ローズウッドの訛り=バラのような花が咲く木の意》の島名にふさわしい美しい花をいっせいに開き、昔から島民によく知られている。」(豊田1981:49)。ペリーの言う"Crumeno"はこれであろう (Hawks1856:210)

 

2. 10. ブラックアイロンウッド  Black iron wood  植物名

アカテツ[Pouteria obovata  (R. Br.) Baehni][アカテツ科](津山1989b:163)の先住移民による呼称。「アカテツは、本来は樹皮の色に基づいて小笠原の島民から Black iron-woodの名で知られ、明治初期まではクロテツとして記録されたが、その後の誤認によってアカテツと称せられた。小笠原ではアデク[フトモモ科]Red iron-woodとよんでいたので、これと取り違えたものである。」(津山同)。「方言クロテツ、土名ブラッキアイロンウード」(曲直瀬1883a)、「ブラッキアイロンウード<黒鉄ノ木ノ義>クロテツ<方言即チ直譯>島民之ヲ用ヘテ屋材柱梁ノ料トス」(小野田1888:374-375)。"Niger wood"ともある(豊田1981:260)。"ironwood"は「各種の硬質材の樹木」(小稲1980:1116)を指し、先住移民は利用できる木を木肌や材の色で区別したものと思われる。

 

2. 11. ホワイトアイロンウッド  White iron wood  植物名

オオバシロテツ[Boninia grisea Planch.]、シロテツ[Boninia glabra Planch.][ミカン科](山崎1989a:276)。樹皮は白い。「ホワヰトアヰロンウード<白銕ノ木ノ義>シロテツ<方言直譯>」(曲直瀬1883b:555)、「島人屋根材等ニ使用」(小野田1888:375)。「利用面は特に知られていないが、一部の人達はシマコクサギ、欧米系の島民の間ではホワイトアイロンウッド<White iron wood>と呼んで、他の雑木類と区別していた。」(豊田1981:60)。

 

2. 12. レッドアイアンウッド  Red iron wood  植物名

アデク[Syzygium buxifolium Hook. et. Arn.][フトモモ科](初島1989:97)の先住移民の呼称。樹皮は赤い。「レッドアイロンウード<赤鐡木ノ義>アカテツ(方言直譯)島民屋材梁柱船艦其他器材ニ用ユル好料ナリ」(小野田1888:375)。戦前は小笠原諸島では「アカテツ」と呼んでいた。

 

2. 13. ルーベル  ブルーベリー  Blue berry  植物名

ヒメフトモモ[Syzygium cleyeraefolium  (Yatabe)  Makino][フトモモ科](初島1989:97)の小笠原諸島父島方言。この実は果汁があり食べられることから、先住移民が「ルーベル=Blue berry」(豊田1981:71)と呼んだ。「果ハ小兒<グウスベリー>ト稱シ好ンテ食ス」ともある(東京府小笠原島庁1914:91)。"gooseberry"は小笠原諸島にはない「スグリ」(小稲1980:906)であるが、色、大きさ等からそう呼んだのであろうか。しかし同文の書き直しと思われる「小笠原島の植生並熱帯有用植物に就て」では「小兒はブリュー・ベリーと稱し」(豊島1938:101)とある。

また、この木の多い自分達の住居に近い場所にブルーベリーヒル  Blueberry Hillと地名を付けた。父島北部・奥村後ろの尾根を指す(延島1995a:167)。

 

2. 14. ポイソンウッド  Poison wood  植物名

アコウザンショウ[Zanthoxylum ailanthoides Sieb. et Zucc. var. boninshimae  (Koidz.) Yamazaki][ミカン科](山崎1989a:278)。「かぶれる性質が強く」(同前)、先住移民はこう呼んでいた。「ポイソンウード、毒木ノ義」(曲直瀬1883b:520)。"poisonwood"は「フロリダ・西インド諸島産ウルシ科の有毒樹」(小稲1980:1633)とあり、同様にかぶれる木を呼んだのであろう。1983年台風17号襲来の翌年母島石門はこの幼樹に覆われ入山した殆どの者がひどくかぶれた。かぶれるという話はあったが、1968年返還後は枝等を折って汁がかかるようなことが無かったので注意されなかった。改めて先住移民の知恵を知らされた。旧島民は「アコウ」(豊田1981:59)、「アコーノキ」(曲直瀬1883a)と呼んでいる。アコウザンショウの省略形であろう。

 

2. 15. アップルウッド  Apple wood  植物名

オガサワラボチョウジ[Psychotria homalosperma A. Gray][アカネ科]小笠原諸島固有種(山崎1989:204)。「欧米系島民は、アップルウッド<Apple wood>と呼び、利用価値のない本種を特に区別していた。」(豊田1981:89)。実は小さく、「偏平な円形または楕円状円形で、長さ10-14o、幅10-12o、赤色から黒紫色に熟す。」(山崎, 同前)。「小笠原では赤い実をリンゴになぞらえ、Apple woodと呼ぶ。」(山崎, 同前)という。しかし、「アップルウード、林檎樹ノ義、互生…林檎ニ似タル小實ヲ結フ児童採食スト云フ故ニ此名アルヘシ、<クロテツ>ニ髣髴タリ」(曲直瀬1883b:598)という。樹名が入れ替わり、食用の実を付けるクロテツ[アカテツ]と同属のムニンノキ[Pouteria boninensis  (Nakai) Baehni]「オオバクロテツ…果実は卵形…長さ約5p,熟すと黄色となり, 甘味がある」(津山1989b:163)、「島名ヤマガキ」(豊田1981:151)を指している可能性がある。

 

2. 16. テイーウッド  Tea wood  植物名

コヤブニッケイ[オガサワラヤブニッケイ][Cinnamomum pseudo-pedunculatum Hayata][クスノキ科](籾山1989:114-115)の先住移民の呼称。「オチャノキ[父島] タミノキ[母島]」(豊田1981:42)。「チーウード、茶ノ木ノ義」(曲直瀬1883b:560)、「島民採リテ茶ニ代用ス故ニ[テイーウッド]ノ名ヲ冒サシム」(小野田1888:380)。オチャノキは先住移民の呼称の和訳。

 

2. 17. シーダー  植物名

「方言センダン、土名シーダー」(曲直瀬1883a)。センダン[Melia azedarach L. var. subtripinnata Miq.][センダン科](山崎1989a:286)。先住移民は「センダン」を針葉樹でないのに、英語"cedar"[ヒマラヤスギ属の樹木の総称](小稲1980:345)と呼んでいたようである。今日には伝えられていない。

 

2. 18. ベンパーム  ヘンハーム  植物名

「蒲葵<ビラウ>、土名ベンパーム、方言シュロ」(曲直瀬1883a)。オガサワラビロウ[Livistona chinensis R. Br. var. boninensis Becc.][ヤシ科]、小笠原諸島固有種(豊田1981:26)。"hemp palm"[ワジュロ、シュロ](小稲1980:983)とある。先住移民は英語で呼んでいたようであるが、今日には伝えられていない。ノヤシの図に「ヘンハーム」(外務省1874)と説明があるが、ノヤシと誤解又は誤記と思われる。

 

2. 19. シュガーケーン  植物名

ツルアダン[Freycinetia formosana Hemsley][タコノキ科](山崎1989b:268)。「タコヅル、ツルダコ」の名もある(豊田1981:30)。「シュカーキン、ツルダコ、一名ハヒダコ」(曲直瀬1883b:233)、「ツルダコ、一名ハヒダコ、土名シーカーキーン」(小笠原島物産)とある。欧米系移民には英語"sugarcane"[サトウキビ](小稲1980:2113)のように見えたのであろう。

一方「蕃名イイイン」(阿部b)とあり、ハワイ・太平洋諸島系移民には別の呼称があったのであろう。ハワイには同属の"'ie'ie"[Freycinetia arborea]Kent 1986:323)がある。ハワイでは先住民は今日でもこう呼んでいるという。

 

2. 20. ヘーパーウード  植物名

「カハヤナギ、紀州又イハガ子、紙ニ製スベシト云フ」(小笠原島物産)。オガサワラモクマオ[Boehmeria boninensis Nakai][イラクサ科]「島名カワヤナギ」小笠原諸島固有種(豊田1981:39, 41)。「其皮ハ灰褐色ニシテ極メテ強靭ナリ紙ニ製ス可シ即チ<Paper wood>ノ名アル所謂ンナリ」(小野田1888:395)。先住移民に利用されたようだが、「本種は内地のカラムシほど樹皮が強靭でないので積極的利用はない。」(豊田同)まま、先住移民の呼称も忘れられている。

 

2. 21. ソフトウッド  Soft wood  植物名

ウドノキ[Pisonia umbellifera  (Forst.) Seem.][オシロイバナ科](山崎1989a:103)。「ソフトウド、ウドノキ」(曲直瀬1883b:593)。「うどのき<方言>…用途全ク無ニヨリうどノ大木ト云ヒ先住者はSoft wood.ト呼へり」(東京府小笠原島庁1914:82)。"soft"は「硬さのない」(小稲1980:2010)ことで、役立たないことを示唆していると言いえよう。

 

2. 22. パインアップル  栽培植物の名

アナナス<パイナップル>[Ananas comosus Merr.][パイナップル科](奥山1977:930)。"pineapple"(小稲1980:1604)。「英人のアナナス一名パインアップル…鳳梨」(阿部a)。「パイナーアップル、土名即チ英語ノ轉語ナリ」(曲直瀬1883b:171)。

 

2. 23. ヲレンジ  栽培植物名

"orange"「オレンジ、カンキツ属の樹木の総称」(小稲1980:1488)。「嶌人ヲレンジと唱ふものあり。」(阿部a)。

 

2. 24. バナナ  栽培植物名

バナナ[Musa sp.][バショウ科](奥山1977:1050)。「芭蕉…バナナといふ。」(阿部a)。"banana"「バナナ」(小稲1980:163)。阿部は「この三種を嶌中の美果とすべし。」(同)とバナナ、パイナップル、オレンジを絶賛している。

 

2. 25. ウヲートルメロン  栽培植物名

スイカ[Citrullus sp.][ウリ科](奥山1977:510)。「西瓜すいくわなり。」(阿部a)。"watermelon"「スイカ」(小稲1980:2390)。

 

2. 26. ポンプキン  栽培植物名

カボチャ[Cucurbita sp.][ウリ科](牧野1961:611)。「ポンプキン、南瓜かぼちゃなり」(阿部a)。"pumpkin"「カボチャ」(小稲1980:1710)。

 

2. 27. シーペソウード  植物名

モクタチバナ[Ardisia sieboldii Miq.][ヤブコウジ科](大橋1989:160)。「方言コマイギ、土名シーペソウード」とある(曲直瀬1883a)。「コマイギ」は「屋根葺用小舞として利用されたことから」(豊田1981:259)。「<ヒーペソウード><シーペソウード>ノ如キモノ全ク別類ナレドモ雌雄ノ稱アリ」(小野田1888:379)とあり、英語"She XXX wood"と思われるが、綴りおよび意味不明。

 

2. 28. ヒーペソウード  植物名

「材質…赤色ナリ恰モ血楮ノ如シ」(曲直瀬1883b:600)。英語"He XXX wood"と思われるが、綴りおよび樹名不明。

 

2. 29. ボウウート  植物名

「弓ノ木ノ義、至テ強靭ナルヲ以テ弓ニ造ルヘシト云フ故ニ名アリ」(曲直瀬1883b:597)。"bow wood"。樹名は不明。

 

2. 30. クリーパー  植物名

「クリーパー 、絡石。白花ヲ開ク・・・蔓至テ強靭ナリ土人採テ縄索トナシ用ウ」(曲直瀬1883b:249)。"creeper"は「つる植物」(小稲1980:496)。樹名不明。

 

2. 31. モルリーウード  植物名

「マヽツケ方言又カミノキ」(曲直瀬1883b:250)。ウラジロエノキ[Trema orientalis Blume][ニレ科](豊田1981:254)か。"XXX wood"。綴り不明。

 

2. 32. ウヲルムウード  植物名

「虫ノ木ノ義、此樹葉ヨリ蟲ヲ生スト云フ益シ蚊母<イス>樹ノ類ナラン」(曲直瀬1883b:602)。"worm wood"であろうが、「ヨモギ」(小稲1980:2445)ではない。シマイスノキ[Distylium lepidotum Nakai][マンサク科](山崎1989a:156)かどうか未詳。

 

2. 33. ビートウード  植物名

「ウツキ、木釘トナシ用ユルヨシ沒疎類ナルヤ」(曲直瀬1883b:603)。"beat wood"。樹名不明。

 

2. 34. ミルクウード  植物名

「トキワイヌビワ新稱天仙果<ヒメイチヾク>」(曲直瀬1883b:603)。"milk wood"「乳汁を分泌する種々の熱帯植物の総称」(小稲1980:1346)とあるが、トキワイヌビワ[Ficus boninensis Koidz.][オオトキワイヌビワ][Ficus nishimurae Koidz.]小笠原諸島固有種(山崎1989a:93)を指しているのであろう。

 

2. 35. バラヤビイン  植物名

「ジャケツイバラ誤稱、石蓮子<シロツブ>一種」(曲直瀬1883b:625)。綴りおよび樹名不明。

 

2. 36. ウエントル  ウエントロ  ウエンテル  動物名、地名

Winter turtleの先住移民の呼称。アオウミガメ[Chelonia mydas][ウミガメ科](菅沼1992:138-140)は春先から夏、小笠原諸島に産卵のため回遊し、その後は島から居なくなる習性がある。しかし、冬場でも島の周辺にいる地付きのアオウミガメがいる。この呼称は旧島民の漁師にも広くつかわれている。

また、地名として弟島にWinter turtle Beach (Cholmondeley1915) 、ウエンテルベイ(延島1995b:81)、母島にウエントロ、ウエントロビーチ、ウエントロの鼻(延島1994b:33)がある。

 

2. 37. カノー  クノウ  船の名

先住移民の一人チャールス・ジョンソンが初めて小笠原諸島で「加納船」を作ったという(小野田1888:262)。カノー(大久保1897:12-14)。"canoe"(小稲1980:317)。 日本語では「カヌー」(見坊1998:208 と言うが、小笠原諸島では欧米系島民も旧島民も「カノー」(青野1978131)と言う。文久年間巡検時阿部は「クノウといえる舩に乗る」(阿部a)。「クヌー舩之図」(外務省1874)がありまた、「この舟はクノウと唱へ、サンドイス島にて、もっぱら相用ゐ、右島にてはワと唱へ候丸木をくり抜き候小舟なり。」(江藤197326)と報告されており、サンドイス島では「ワ」と言うが、小笠原諸島では「クノウ」と言うと区別をしている。ワはハワイ語"wa'a"でカヌーを指す (Pukui & Elbert1986:375) 。小笠原諸島の「カノー」が小笠原諸島開拓者の出身地八丈島に伝わった(延島1985:86)。八丈島のそれを日本語の枯野、軽野と結び付ける(谷川1997:14-15)のは文化の伝播を無視した付会に近く無理があろう。

 

3. 混合系

3. 1. 円縁湾  まるべりわん  Mulberry Bay  地名

父島南部・南崎東方の入江を指す(国土地理院1995)。"mulberry"「クワ」(小稲1980:1389)。先住移民の呼称"Mulberry Bay" (Cholmondeley1915) は「桑ノ木湾」の意であるが、地形が「マルベリー」という音と違和感がなかったのであろう。音を借用して漢字が宛てられた(延島1995a:167)。和訳して「桑木濱」(鬣角山人1906:28.1)と付けたが定着しなかったようである。ここで言う桑はオガサワラグワ[Morus boninensis Koidz.][クワ科]小笠原諸島固有種(山崎1989a:86)を指す。「モルベリーウード、クハ方言、拓<ヤマクは>」(曲直瀬1883b:558)とある。由来を湾の地形がクワノキの葉のようだからと解釈する欧米系島民もいる。英語音の借用+和訳。

 

3. 2. 九つビーチ  ここのつびーち  地名

母島南部、御幸之浜の西方の小さな石浜。先住移民の呼称"Coconut Beach"[ヤシ浜の意]の前半は音を借用[誤用]して漢字が宛てられ、後半はそのまま取り入れられている(延島1994b:33)。英語音の借用[誤用]+外来語。

 

3. 3. モンテンボク 植物名

モンテンボク[テリハハマボウ][Hibiscus glaber Matsum.][アオイ科]小笠原諸島固有種(大場1989:71)。ヤマイチビの別称もある。工芸関係では「門天木」の宛字を使用。「モンテンハーヲ、イチビ八丈方言」(曲直瀬1883b:555)。「モンテンボク」という呼称が定まるまでは「モンテンハウ」が使われていた(回議録)。「Mountain Hao, またはMountain Haw tree, 松村仁三教授による日本語訳が, 標準和名として通用した例」という(津山1968:63-64)。"hau"はハワイ語で「<ハイビスカスなどの>低地特有の木」(西沢1990:34)、ハワイ自生のハイビスカス<Hibiscus tiliaceus>を指す (Whistler1980:24) 。英語+ハワイ語が英語+日本語に変化したもの。

 

3. 4. モモタマナ  植物名

[Terminalia catappa L.][シクンシ科](初島1989:106)。「[ノグルミ]蕃名アヲ、ヒーメールトメナ」(阿部b)。「シマホウ、土名シータマナ、一名マリーソー」(曲直瀬1883a)、「シートリマナ(又シータマナ)」(小野田1888:377)とある。「ヒータマナ」を「タマナ」、「シータマナ」を「モモタマナ」とされた。頭に付けられた「モモ」は桃で、種子の形およびそれを割って中身を食べられるということが桃の種に似ているからであろう。英語+ハワイ語が日本語+ハワイ語に変化したもの。

 

4. その他(日本語)

4. 1. イジンモモ  植物名

バンジロウ[Psidium guajava L.][フトモモ科](初島1989:98)。英名guavaの音を取り入れた「グワバ」が最近は島でも使われている。「一名イジンモモ…1830年、ハワイの欧米系移民が持込んだものといわれている。」(豊田1981:285)。桃の様には思えないが、異人桃と付けられている。

 

4. 2. 異人谷  いじんだに  地名

母島南部、大谷川上流の支流の谷の名。先住移民がタロ(水芋)を植えていたからと言う(延島1994b:32)。

 

5. 不明

5. 1. シュクシュク  食物名

欧米系島民の間ではサツマイモを揚げたお菓子を指す。綴り及び何語か不明。

 

5. 2. ワントネ  地名

母島北西端西側の海上を指す(延島1994b:31)。「ワントネー」(志賀1937:129)(小野田1888:223)と表記され、洋名と考えられている。父島在住の欧米系島民の中には洋名と考えている人もいる。「湾渡獰」(北澤1893:15)、「湾頭根」(小笠原島庁1917:49)と宛字をするものもあるが、「ワントネ」と表記する旧島民も多く(青野1978:15)、外国語と思われる。

 

5. 3. マツムボーシ  地名

母島南端海上の小島を指す(延島1994b:31)。「マツムボーシと稱する三島あり」(吉原1901:383)。「鰹鳥島」(国土地理院1994 という名前が付けられているが、母島の旧島民は「マツムボーシ」と呼んでいる。先住移民の呼称と考えられる。

 

5. 4. テノウラ  地名

父島南東部南向きの入江。「天之浦」(国土地理院1995)と今日表示されている。チャムリは"Tenoura", "Tenoura Pt."と採集している (Cholmondeley1915) 。テノウラ、テノウラビーチ、テノウラパイントウという地名が欧米系島民に伝えられている。同様の地名は本土には見当たらないようであり、漢字は宛字に過ぎない。先住移民の呼称と考えられる。 ペリー来島の際、テイラー"Taylor"らがこの方面を探検した(ホークス1948:124-133)。この人名に起源するとも推定して見たが(延島1990:82-85)、いかがであろうか。

 

5. 5. シャータック  植物名

「方言ヂキノキ、案コバンモチ一種」(曲直瀬1883)、「チャータック、又シャータック 、チギノキ八丈方言」(同1883b:594)。シマホルトノキ[Elaeocarpus photiniaefolius Hook.et Arn][ホルトノキ科]小笠原諸島固有種(大場1989:64)。「シャータック、チャータック」は何語か不明。

 

謝辞

本稿をまとめるために、次の方々および機関から聞き取りおよび資料提供等のご協力を頂いた。ここに、改めて感謝申し上げます。故セーボレージェレ、故セーボレーモーセス、瀬堀信一、池田実、野沢信行、木村ジョンソン、星 典、森田裕一、船越眞樹、西沢 佑、井田 斉、井上雄介、大平貞仲、J. L. EarleA. Mueller-Dombois (敬称略)。小笠原村、小笠原村教育委員会、東京都小笠原水産センター、大分県安心院町教育委員会。

 

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