Language in Japan 「日本における言語」(MCC217 J)

D. LONG ロング担当

金曜日 8:50-10:00  10:10-11:20  11:30-12:40   H-307

 

1.         2015/04/10 日本の地域方言

1限、シラバス。世界の言語の数が正確に数えにくい理由、日本の方言の数が正確に数えにくい理由。方言分布地図のガ行子音二重母音単母音化。音声学の知識:破裂音、摩擦音、破擦音。2限、4つ仮名、いる・おる恐ろしい。3限、語法やる・くれるの意味論的特徴。敬語地域差。ピッチアクセント体系の地域差。音声学的特徴・音韻論的特徴の違い。スペイン語のperro, pero. 時間があったから、日本語起源説のプリントを10分だけ説明した。来週のために四枚配布。小笠原ニュースウィーク、岩波科学。柴谷からアルタイ語族とオーストロネシア語族の特徴。A3の世界の語族地図二枚。

 

2.         2015/04/17 1限、Masayoshi Shibatani Languages of Japanese page on Altaic Theory of Japanese language origin

2限 Austronesian Theory of the origin of the Japanese language

3限、小笠原の混合言語に関する文章(Newsweek, 岩波科学)

次回の配布物「横浜ピジン」論文

 

3.         2015/04/24 接触言語の実態と理論(19世紀の横浜ピジン日本語)上層言語と基層言語の影響。ピジンができるのに、なぜ2つの言語ではなく3つ以上の言語が必要か。

 

4.         2015/05/01 20世紀の台湾クレオール日本語, 準クレオールという概念。前回配った「日本語と外国語の使い分け」のプリントに基づいて話します。

1限 クレオール、クレオール化、20世紀台湾のクレオール日本語。台湾クレオールの文法性判断ができる。小笠原混合言語にも文法性判断が可能。台湾クレオール日本語の例文みた。複雑化、壊れた日本語の修復。クレオール化は文法事項のリサイクル。民博雑誌の表紙で説明した。

2限 

クレオロイドとクレオールの違いを説明した。小笠原混合言語に入っている英語はたぶんクレオロイド。なぜなら、一人称代名詞は格と無関係にmeが使われるし、定冠詞・不定冠詞・ゼロ冠詞の使い方があいまい。黒人英語における「脱クレオール説」と「クレオロイド節」の違い。配布プリント。社会言語学が答えを下がるWH疑問詞。在日コリアンの相手と周りの環境による使い分けを説明した。ダイグロシアが出て来たから、放送大学DVDのダイグロシアのところを見せた。

3限 

カナダ日系人は「なぜ」言語を切り替えるか。質問があって、「敬語に切り替えるのはダイグロシアではない」ことを説明した。なぜ、ならこれは「コード切り替え」ではあるが、ダイグロシアは「言語変種」の使い分け。

日本手話を母語とする人の中間言語的書き言葉日本語。それを説明するために「文法化」を説明しなければならなかった。

 

 

5.         2015/05/08 日本に「社会方言」はあるか。プリントは事前に配っていません。授業で配ります。

1

社会方言は日本語にあるか。米国の社会方言。「トークンの%」を出した表と「使用する人の%」を出した表。ネオ方言に少しだけ触れた。(新方言との違いについてまだ説明していない。)

2限。

待遇表現と敬語の違う。関西の待遇表現のよると、西日本(香川の学生いた)のアスペクトのよる。琉球語入門PPTの地図で位置関係確認した。保守的なところ、改新的ところがある。クヮ、ye、パ行。三母音体系。子音の収斂。ハ行転呼音。言語景観のスライドを複数見せた。

3限 ウチナーヤマトゥグチのプリント配布した。表2やった。5頁までやった。元々は中間言語だったが、現在は母語化しているから中間言語と呼べない。スライド28までやった。

 

2015/05/15  全学休講

 

6.         2015/05/22 琉球のことば(c-week

ウチナーヤマトゥグチの論文の5頁からやって、ピジン、クレオール、混合言語の2種類(Romaniなど)、ネオ方言、コイネ―などとの違い。近いのはクレオロイド。クレオロイドの2種類の話はしていない。

琉球語入門PPTのスライド29からやった。プリントは配っていない。

 

7.         2015/05/29 

ネオ言語の復習と新方言の話をしてから、アイヌ語の話に入る。これらに関するプリントは配っていない。

 

1限

擬似標準語のPPT

 

2

新方言のPPT

アイヌ語配布物、最初の3頁

 

3限 アイヌ語プリント4頁目

自他動詞の11のパターン

日本語→アイヌ語の借用語の博物館写真見せた。製造物が多いことが分かった。

アイヌ語→日本語の借用語には生物の名称が多い。

北海道の多くの地名はアイヌ語に由来する。それが分からなくても、何となく日本語っぽくない感じがする。その理由は意味論的(語原は想像がつかない)と音声学的(日本語にp音はあまりない)、そして音韻論的(ラ行、バ行は語頭に来ない)

 

知里真志保(ちりましほ)本人もアイヌ民族で、アイヌ語学者。金田一京助の教え子。

 

 

8.         2015/06/05 石垣の台湾系住民の言語使用と言語生活

1限

石垣台湾人PPT

社会的、歴史的背景。

 

2限

石垣台湾人PPT

曽根さんの音声聞かせたが、ほとんど聞こえなかった。

ウチナーヤマトゥグチの影響、中間言語の影響

 

3限

石垣台湾人のPPTを使って中間言語の下位分類の話。

今週は「南洋と日本語PPT」の人名、借用語、言語景観(パラオ選挙ポスター)までやった。最後にやったのは戦前の人口増加。スライド27までやった。

来週は「南洋と日本語.ppt」のスライド28から。サイパン、パラオの言語景観、中間言語、借用語の話。

 

 

9.       2015/06/12 旧南洋庁の日本語(サイパンとパラオにおける「残存日本語」)

 

10.     2015/06/19  期末試験


 

 


 

概要 (Description)

この授業で日本で話されている様々な言語を、それぞれの言語体系および使われている言語社会の両面から考察する。

学習目標 (Learning Goals)

日本国内の言語変異を把握し、また言語と社会との関係を考えるために役立つ色々な専門的な理論的概念、フィールド調査のあり方、データ収集法と分析法などを理解することが目標です。

内容 (Contents)

 年度、次の課題を取り上げる予定。言語と方言の区別、日本の方言区画・方言分布、社会方言と地域方言、日本の多言語使用コミュニティ(ポルトガル語とスペ イン語母語話者と中間言語)、日本手話と日本語対応手話、小笠原諸島の欧米系島民とその「混合言語」、19世紀の横浜で発生したピジンジャパニーズ、琉球 語の諸方言、伝統方言とウチナーヤマトゥグチ・トン普通語、石垣の台湾系島民コミュニティとバイリンガリズム、旧南洋庁の「残存日本語」
成績評価基準 (Grading Policy)

期末試験60%、授業の積極的参加(質問をすること、意見などの発言をすることであり、単なる出席ではない)および数回の小試験40%。

参考文献 (References)

テキストではなく、配布プリントを使用するが、以下の物は参考になる。
真田信治、ダニエル・ロング他『社会言語学図集 改訂版』秋山書店

注意事項 (Notes)

The course will be conducted in Japanese (due to the content) but all efforts will be made to accommodate students with limited Japanese reading skills. Such students should contact the lecturer for more information.

スケジュール (Schedule)   

1/F,2/F,3/F

URL

Please go to the following url for more details:
http://nihongo.hum.tmu.ac.jp/~long/classes.htm

Contact Address

E-mail: dlong@tmu.ac.jp連絡するときに「国際基督教大学」をSubjectに含めてください。