一般言語学演習
手話の主要状況について
英米文学学科 3回生
62018 内本美希
1.(1988.04.01)『月刊言語
特集 手話の世界』(大修館書店)これから手話を学ぶ人のために/手話とはどういう言語か/日本手話の文法/手話の習得過程/手話の神経心理学的基盤/手話入門
はじめの一歩/世界の手話の対照言語学/手話のなまり/手話で表されるユーモア/手話語彙のデータベース化/聞こえる人の手話/手話について知るためのブックガイドのことがのっている。五十音の指文字,アルファベットの指文字の一覧表がのっている。 名前をいうときに関東と関西とではちがうということものっている。手話通訳士になるためには、どうしたらよいかなどものっている。
2.丸山浩路(1981.05.01)『百万人の手話教室1・2・3ー基本編ー 4・5ー応用編ー』(K.K.ダイナミックセラーズ)
この本は,第1弾から第5弾まである。指文字五十音,アルファベット,物語コーナー,基本的な会話,実用的な会話,応用会話,単語などが,くわしくのっている。第1弾から第5弾まで読むと,かなり,勉強になる。初心者の人には,この本で学んでいくと,わかりやすいと思う。第5弾は,第1弾から第4弾に比べると,かなり,むずかしい。でも,しっかり,今までのことを身につけていたなら,楽しい教材だ。初心者の人は,いきなり,第5弾を手にとると,嫌になるので,それだけは,やめましょう。
3.中野善達,伊東集祐(1986.11.20)『手話を学ぼうー短文編ー』(福村出版)
この本の他に,社会編,生活編がある。手話の特徴,指文字とは何か。アメリカと日本の指文字のちがい。名前の表し方,数の表し方,職業とその表し方,地名の表し方,家族の表し方,趣味,性格,時の表し方,暮らしに関する手話,学校生活に関する生活,季節・行事の表し方,天候の表し方,交通に関する手話,健康・病気に関する手話,恋愛・結婚を表す手話,文化に関する手話,教育に関する手話,冠婚葬祭に関する手話,医療に関する手話などが,のっている。手話で歌うナーもある。「若者たち」を手話で歌うことができる。手話通訳,聴覚障害者とその人たちの暮らしについてものっている。
4.那須英安(1996)『手話が愛の扉をひらいた』(宙出版)
ろう者同士の結婚,そして愛の日々,声のないプロポーズ,静かな披露宴,新婚旅行で「船上の手話教室」,長女誕生,長女は聞こえない子だった,二歳で聴力を失った,心の傷,母が読んでくれた絵本,発音練習は大変だ,いつも独りぼっちだった,映画作りにチャレンジ,英語の勉強は大リーグの本でした,大学の勉強は独学だった,“身体障害者の国体”をめざして,国体に出場したこと,声のない芝居に魅せられて,日本ろう者劇団に入団,手話で演ずる芝居,本当の手話とは?など,那須さんの体験談がせつせつとつづられている。
5.朝倉まみ,貞広邦彦(1996)『手話でシャンソン!声のない恋』(福村出版)
はじめに,貞広邦彦さんの意見が述べられてある。その後,シャンソン歌手である,朝倉まみさん我,手話で曲を紹介している。紹介している曲は,「マイ・ウェイ」,「バラはあこがれ」,「声のない恋」,「愛の讃歌」,「百万本のバラ」,「生きる時代」だ。どの曲にも,解説がちゃんとのっている。歌に興味のある人には,この本は,おすすめだ。
6.大森節子(1994,10,25)『私のアメリカ手話留学』(御茶の水書房)
大森節子さんの生きざまがせつせつと語られている。聞こえなくなった耳に対する悲しさ,やる気をおこさせてくれた会社の人々のこと,アメリカへ留学してどうだったかなど。聴覚障害者の社会と文化は,日本とアメリカとではどうちがうか。ASLは役に立つのか?などが書いてある。アメリカの手話は,ろう者の90%が,自分たちで作った手話を使っている。手話で話す時,声を出さないのが普通だ。口を動かしても,口話のときのように,はっきりと動かさないのが,彼らの会話の原則だ。アメリカの手話のことについても書いてある。
7.オリバー・サックス 訳:佐野正信(1996,02,10)『手話の世界へ』(晶文社)
手話の世界との出会い,聞こえないとはどういうことか。禁じられた手話,強く激しい感情を伝えるにはどうしたらいいか。手話・口語論争。ろう児に何ができるか。母と子の対話。四次元の言語。手話は言語か。神経系は変化する。脳について手は何を語るか。ろう者の声としての手話などについて書いてある。
8.丸山浩路(1996,07,20)『詩と歌で覚える手話の本』(祥伝社)
この本は,手話で詩う,歌う本だ。声に出し,手で味わう名詩三編。金子みすずの「わたしと小鳥とすずと」,坂村真民の「二度とない人生だから」,宮沢賢治の「雨ニモマケズ」が手話で詩える。そして,人気の曲を“丸山流”振り付けで楽しむことができる。酒井法子の「碧いうさぎ」,岡本真夜の「Tomorrow」,尾崎豊の「I Love You」,山口百恵の「いい日旅立ち」,美空ひばりの「川の流れのように」,財津和夫の「切手のないおくりもの」,川村かおりの翼をください」,「アンパンマンのマーチ」,「故郷」が手話で歌える。手話クラブの人などに役立ちそうだ。この本をもっていると,人気者になれそうだ。
9.たかねきゃら『手話で伝えたい』(こう済堂出版)
この本は,マンガだ。だから,誰にでも,おもしろく読める本だと私は思う。主人公の愛ちゃんは,聴覚障害を持つ,ごく普通の女子大生。お茶目で,ちょっぴり,あわてんぼのところもある。そして,聴覚障害ならではの悩みも失敗もある。この本は,「手話」の基本的な表現を解説した入門書であるとともに,聴覚障害故の悩み,孤独感,生活上の工夫なども織り交ぜながら,愛ちゃんの4年間にわたる学生生活を表現している。何にでも積極的に取り組んでいく愛ちゃん。まわりの友人たちは,愛ちゃんの姿を見て,講義中にノートを見せてくれたり,手話通訳に駆けつけたりしてくれる。感動的な友情の場面ものっている。
10.たかねきゃら(1996,06,15)『手話で話そう』(こう済堂出版)
この本は,第1章と第2章の2部構成になっている。第1章では,基本的な単語の紹介の他,「指を使った表現」,「手の動きの方向」,「位置を利用する」などのように,手話ならではの表現を盛り込んでいる。第2章では,ふたりの恋人を主人公にしたミニストーリーの形で,日常会話でよく使われる手話表現を紹介している。英語でもそうだが,手話も,手の形や動きを,そのまま暗記するよりは,何らかの意味を持たせた方が,覚えやすいことを考えて,説明文に,その手話の由来,または,覚え方のコツを盛り込むように工夫している。
11.松本晶行(1997,08,05)『ろうあ者・手話・手話通訳』(図書出版,文理閣)
友達のこと,先生のことが書いてある。弁護士になった理由。どうやって弁護士の仕事をしているか。自分が弁護士になって,ろうわ者の事件をいろいろと解決してきたこと。遺産の問題。運転免許裁判にかかわったこと。視覚障害とコミュニケーション障害,点字の市民権について。手話通訳のありかた。言葉のしくみ。手話とろうあ者問題。ろうあ者についての知識,理解。日本手話。ろうあ者の正しい手話。私自身の体験。正しい手話・正しい手話通訳。私の夢。ろうあ者のヤクザについて書いてある。
12.野澤久美子(1997)『手話を始める人のために』(池田書店)
私たちの生活をさまざまな場面にわけて,その中で想定される基本的な会話を中心に取り上げている。基本的な単語や応用できる単語600語以上を収め,そのイラストの1つ1つに解説がついている。さらに,手話を正しく理解していくために,手話の語源や文章の成り立ち,手話にはどんな特徴があるのか,などができる限り,分かりやすく説明している。自己紹介,あいさつ,一般会話,愛情表現,駅・旅行先で,飲食店で,デパートで,交番・郵便局での手話の使い方がのっている。手話で歌う「贈る言葉」ものっている。数詞・指文字ものっている。
13.木村晴美・市田泰弘(1995,05,15)『はじめての手話』(日本文芸社)
手話は言語である,言語とジェスチャーの決定的な違い,ろう者の社会,ろう者は独自の文化をもっている,ろう者同士の国際交流と手話,日本手話の文法などがのっている。手話のコーナーでは,名前のたずね方,年齢のたずね方,家族の紹介の仕方,出身地について,仕事について,一日の生活について,通勤・通学について,趣味・スポーツについて,旅行について,嗜好品のついてがのっている。
14.管谷知子(1996,10,26)『たのしい手話ー日常の生活編ー』(東陽出版)
会話文,道案内「スーパーマーケットへの道順を教えて下さい」,交通手段「バスの乗り場はどこですか」,美術館・映画館「大人一枚と子供一枚ください」,デパート「婦人福の売り場は何階ですか」,レストラン「メニューを見せて下さい」,電気屋.美容院.本屋「シャンプーとカットをお願いします」,郵便局.銀行.市役所「八十円切手を五枚ください」,その他,基本用語,関連用語がのっている。疑問の表現,副詞・接続詞,指文字,アルファベットがのっている。
15.篠田三郎・全日本ろうあ連盟(1993,06,10)『手話のハンドブック』(三省堂)
篠田さんと手話との出会い,ろう教育の始まり,聴覚障害,手話の構成,「乙女,子供」などの手話表現の基本,日常会話,挨拶「今後ともよろしくお願いします」など,紹介「こちらは友人の古谷さんです」など,サークルで「お久しぶり,ずっとお休みなので心配していました」など,家庭生活で「子供さんはおいくつですか」など,買い物で「東京へ贈り物をしたいのですが,発送をお願いします」など,郵便局で「北海道へ小包を送りたいにですが,何日ぐらいかかりますか」などがのっている。
16.全日本ろうあ連盟(1889,12,15)『新しい手話1』(全日本ろうあ連盟)
手話で表す単語が,すごく,たくさんのっている。単語をたくさん知りたい人には,おすすめの本だ。人間「人生,生涯,リーダー,肩書,長男,天使,悪魔」など,政治・経済・法律「憲法,内閣,行政,条約,景気,物価,原告,違反」など,教育・福祉・医療「学問,哲学,文章,リハビリテーション,ワクチン,輸血」など,文化・歴史「報道,放送,番組,ルール,番付,車庫,エンジン」など,自然・自然哲学「科学,地球,宇宙,資源,天然,動物,ふぐ」など,心理「本音,たてまえ,命,いちず,冷や汗,逆上」など,抽象「制度,公正,理論,機能,きっかけ,しきたり」などがのっている。新しい手話2,3もでている。同じようなことがのっている。単語がちがうだけだ。
17.添島康夫(1992,01,25)『子どもの中にことばをみつけて』(ぶどう社)
ろうあの子供をもつ親たちの思いは,どんな気持ちなのか。“ことばにならないことば”,ことばを話しだすとき,文字の読み書きから絵日記へ,自分の言葉で表現できた,言葉が力を発揮する時,
“ことば”が成立していくには?,言葉は誰のためのもの?,声にも表情がある,指でお話,三つのパフォーマンス,自分の“辞書”をつくり変えた,一つ一つの呼び名にも意味がある。18.ノーラ・エレン・グロース 訳:佐野正信(1991,11,11)『みんなが手話で話した島』(築地書館)
マーサズ・ヴィンヤード島は,マサチューセッツ州東部の大西海岸から八キロほど沖合いに浮かぶ島である。だが,この隔離された島には,特徴があった。島では,三百年以上にわたり,先天性のろう者の数が,ずばぬけて多いのだ。これは,遺伝性の聴覚障害が原因だった。アメリカにやってきたイギリスの初期開拓者のもたらした遺伝子が,結婚を通じて,子々孫々に伝えられていったのである。この人たちのことが述べられている。幼少期,教育,結婚,家族,生計の維持,くらし向 き,政治参加,法的義務,社会生活,共同体の催しもののことが書いてある。
19.F・C・パン,田上隆司(1976)『手話をめぐって』(文化評論出版)
手話の文字化,手話の記号的特性,手話の地域差,世代差,個人差とその原因,手話とはどんな言語か。手話がかかえている基本的な問題点,手話の教育と普及,日本語に対する伝統的手話の特徴,既にできている手話と日本語の関係,意味の似ている手話による代用,言語獲得に障害を持つ児童の非言語記号に関する二事例の報告がのっている。
20.Fred C.C.Peng 訳:神田和幸(1978)『手話と文化』(文化評論出版)
手話と文化,手話に関する誤った観点,手話の特徴,日本のろう社会,コードと文化,アメリカ手話の語いと専門手話の標準化と開発への指標,類人猿と幼児の言語習得,手話習得,手話の発話,チンパンジーの手話,言語技能,認識力とチンパンジー,ローランド・ゴリラの言語能力,中国手話の手形などがのっている。
21.『手話単語辞典』
http://www.ksc.ac.jp/syuwa/jiten.htm 簡単な手話の単語や“あいうえお”,“ABC・・・”が動画で学べる。かな,英数,単語,付録と4項目にわけられている。“あ”なら,ちゃんと,画像で“あ”の形をしてくれる。“い”を押せば,“い”の形をしてくれる。ホームページで勉強しようと思っている人には,おすすめだ。付録は,手話とは,関係ないお遊びページだ。星占いものっている。
22.Yamaco’s Home Pege
http://member.nifty.ne.jp/yamaco/syuwa.htm
手話で色を表すとき,体のある部分をつかう。黒色を表すときは,髪の毛。白色を表すときは,歯。赤色を表すときは,唇。青色を表すときは,頬。ひげをそった後のほっぺたの青い様子をあらわしている。黄色を表すときは,おでこ。という具合に,問題形式になっている。楽しみながら,できる。手話の指導というところをクイックすると,手話のことが,学べる。
23.久留景吾
http://www.hongo.ecc.uーtokyo.ac.jp/ 152111/ mourou.htm1 盲ろう者について,生活の実態,教育,職業,施設,作業所などのことがのっている。盲ろう者は,全国に約13000人いると推計されている。別の調査では,24000人いると推計されている。音声を利用したコミュニケーション手段,点字を利用したコミュニケーション手段,手話を利用したコミュニケーション手段。盲ろう関連の論文,盲ろう関連書籍ガイド,通訳,全国盲ろう者協会についてがのっている。
24.植村英晴『手話対話における「同じ」の使用形態』
手話,対話,聴覚障害がキーワードだ。「同じ」と結びつく手話について,いろいろ書いてある。対話での使用手話とその出現頻度も調べてある。手話は,本来,聴覚障害者相互のコミュニケーションの必要から生じたものである。従って,聴覚障害者相互の実際のコミュニケーション場面は,直観によっては,見落とされやすいさまざまな情報を含んでいると考えられている。この論文では,手話分析の指標として時間を取り出し,手話の表出時間を記録し分析を行う。また,これは,聴覚障害者相互のコミュニケーションで比較的多く用いられ,多くのvariationを持っている同じという手話を中心に分析を進めている。
25.米川明彦『手話言語の単位体』
単位体,手話因子,手話値,手話単語の分類,手話モーフについてかいてある。stokoeは,手話言語の構造記述のために,三つの因子を考えだした。すなわち,dezと名ずけられた手の形,tabと名ずけられた手の位置,sigと名ずけられた手の運動であり,これらをaspectsと呼んだ。
26.米川明彦『文字からみた手話』
手話は,非言語的コミュニケーションと言われている。広井氏は,非言語的コミュニケーションを「送り手によって意識的あるいは無意識的に生成され,受け手に特定の意味反応を喚起する記号として機能する言語以外の行動要素be havioral componentの伝達」と定義し,「言語的verbal」は,「音声的vocal」と同義に用いられている。漢字からみた手話,手話の地名にみる漢字利用,手話の漢字字形模写,手話の増補,漢字の将来と手話,仮名からみた手話,などがかいてある。
27.米川明彦『手話言語の語構成』
手話言語は,非音声的(nonーvocal),言語的(verval),コミュニケーションの1つである。手話言語を音声言語に付随する非言語的(nonーverval)な身振りと考えている人々がいる。これは,音声言語の音韻論的レベルに,相当するものがないとか,構造がないとかいう誤解に基づく。このことを明らかにしている。手話単語結合の語構成,手話単語と音声言語との意味関係,手話単語の造語に働く制約などが書いてある。
28.小田侯朗・星名信昭『手話単語の造語形態に関する一考察,主体表現の様式の観点か』
手話の言語学的特性を明らかにするためには,語順等を中心とした統語規則の検討とともに,手話単語自体の構造,機能の検討が必要である。また,書記言語としての面をもたずに,主として,一対一の会話として発展してきた手話の場合,話し手の表現意図が,語形変化に与える影響が重要な側面となる。手話表現における主体意識,対象とする手話単語について,手話単語の分類がのっている。
ホームページ
手話単語辞典
http://www.ksc.ac.jp/syuwa/jiten.htm
Yamako’s Home Pege
http://member.nifty.ne.jp/yamako/syuwa.htm
久留景吾
http://www.hongo.ecc.u−tokyo.ac.jp/152111/mourou.htm1